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ユーロの紙幣や硬貨がイギリスにも流れ込んでいる現在、投資の対象として、ユーロの為替相場や金利に関心が向くのは自然なことである。
相場の常で、その動きは一本調子ではないが、とくにイラク戦争後は、地政学的リスクを嫌った世界の投資家が、資金をアメリカから欧州に移したこともあり、ユーロ高が加速した。 もし二○○二年初めから二○○三年にかけて、イギリスの投資家がユーロで預金をしておれば、手数料を引いても、為替差益と預金金利でかなりの利益を手にすることが可能だったわけである。
銀行に行けば、ユーロやドルの外貨口座はすぐ開設出来る。 インターネットで、為替や金利のチャートは、いくらでも見ることが出来る。
それを利用して、ユーロやドルで資産の運用をするイギリス人は増えている。 もちろん、相場は「水もの」であるから、いつも儲かるとは限らない。
ユーロに対してポンド高になれば、ユーロをポンドに換算した時の価値は目減りする。 これは、日本人が円資産をドルに換えて保有していて円高になった場合と全く同じだ。
しかし、イギリス人は、ポンド高になってもあまりあわてない。 ユーロ通貨は、フランスなどユーロ圏の国に持って行けば、何の目減りもなく使える。
ポンド高ならば、新たに使うお金をポンドからユーロに換える時、前よりも有利なレートで換えることが出来る。 ユーロに対してポンドが高くなっているからである。

ポンド安になればユーロをポンドに換えて為替差益をとり、ポンド高になればユーロのまま持っていて、欧州大陸で使う。 欧州大陸への距離の近さと往来の頻繁さが、このような肩の凝らない投資法を可能にしている。
彼らにとって、ユーロは親戚なのだ。 他人ではない。
もうひとつ、彼らがユーロを信頼する理由がある。 外貨を保有する投資家にとってこわいのは、高インフレや政情不安による貨幣価値の低下である。
インフレ率が高くなれば、その国の貨幣価値は下がる。 最近のブラジルの通貨危機を思い出せば分かるであろう。
そのような不安がある国の通貨は、長期間持つわけにいかない。 その点、ユーロ圏では、欧州中央銀行(ECB)がきびしいインフレ率の目標値を決めており、加盟各国はこれを守るため最大の努力をしている。
とくに欧州経済の中心的存在であるドイツは、第二次世界大戦後の超インフレがトラゥマとなり、物価上昇にはきわめて神経質である。

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